タイ古式マッサージとはどういうものか?

ふたつの流派

 

 

タイ古式マッサージには、主にそのスタイルによって、2つの流派に大きく分けられています。タイの公衆衛生省では「宮廷式」、「民間式」に分けています。

 

 

宮廷式の場合は、主に指圧によるマッサージで、民間式の場合は、ストレッチをよく用いるマッサージになります。それ以外に南北で分けるという考え方もあります。南部式スタイル(バンコクスタイル)は、指圧療法が強調されますが、北部式スタイル(チェンマイスタイル)ではストレッチ動作が多くなります。

 

 

また、ワット・ポー伝統医学校のスタイルでは、指圧の以外に、患者の腕を伸ばしたり、腰を捻ったりするようなストレッチ要素が含まれています。観光客向けの店、日本の店の場合は、このワット・ポー式のタイ・マッサージを行っていることが多くなっているようです。

 

 

そうすると、タイ古式マッサージはストレッチの技法を多く使うものだとイメージされますが、昔から宮廷に伝承されるマッサージではこうしたストレッチの技法は存在していません。これはマッサージの近代化と共に、西洋現代医学的な見地から、汎用性が高くて大多数の人が安全に利用できるようにと再構築した影響かもしれません。

 

 

最近よく見られるタイ古式マッサージでは、マッサージ被術者が着替えてマットレスの上に横たわると、施術者が手と前腕を使って強固でリズミカルな圧力を体のほとんど全体にかかるように押します。一般にこのマッサージは体の「SEN」(エネルギーライン)に従います。通常、オイルは使いませんが、時々被術者の体を暖めたり静めたりするのに熱いハーブの包帯を使います。